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Web サイト・システム開発の発注で、「何から始めればいいか」で止まる

「社内の顧客情報を、Excel から専用のシステムにまとめたい」。「予約をオンラインで受けられるようにしたい」。やりたいイメージはぼんやりとあるけれど、何から始めればいいかが浮かばない。機能リストを作ろうとしても、要・不要の判断がつかない。見積もりを取れば全機能込みの金額が出てきて、その大きさを見て手が止まる。

Web サイトやシステムを作りたい、という話で、こうしたつまずきをよく聞きます。考えれば考えるほど分からなくなる。前進している実感がないまま時間が過ぎていく。気付くと、相談すらしなくなっていく感じです。

なぜ、進められなくなるのか

依頼者の準備不足の話というよりは、Web 制作やシステム開発の多くが「何を作るかが決まってから始まる」前提でできているのが大きいと思います。

多くの発注は、「何を、いくらで、いつまでに作る」を最初に決めて、そのとおりに納品する形をとります。だから、何を作るかが決まっていないと、値段も設計も出てきません。相談に行って「まずは仕様をまとめてからまた来てください」と返されるのは、頼まれる側からすれば自然な返事です。

ただ、頼みたい側からすると、その「まず何を作るか」を一人で考えるのが難しいから相談に来ている、というすれ違いが起きやすいと思います。

私の場合は、こうしています

私は、何を作るかが決まっていない段階からのご相談に、入るようにしています。

具体的には、こんなことです。

  • 「何を作りたいか」よりも先に、「いま何に困っているか」を伺う
  • 全部を一度に作ろうとせず、まず一番効きそうなところを小さく作る
  • 使ってみて分かったことをもとに、次に何を作るかを決める
  • 進めながら方向転換できるよう、契約や見積もりも段階に分ける

ちなみに、こうした「小さく作って使ってみる」という進め方は、ソフトウェアの世界では MVP(Minimum Viable Product、最小限で実用に耐えるかたち)と呼ばれることがあります。最初に全部を設計しきらず、使いながら育てる前提の考え方です。

派手な方法ではありません。最初から全体像を完璧に描こうとせず、小さく作って試して、また考える、というだけのことです。ただ、依頼する側からすると、考え込んで止まる時間が短くなる、というのが一番大きいかもしれません。